その年収、誰が決めた?

その年収、誰が決めた?
就職・転職

その年収、誰が決めた?

給与明細に書かれた年収は、自分の実力そのものではありません。会社の給与表、企業規模、勤務地、職種、任されている仕事。いくつもの条件が重なり、今の金額になっています。ITエンジニアの平均年収は約469万円ですが、300万円未満から500万円未満までに約65%が入ります。平均だけを見ても、自分の給与が高いのか、低いのかは分かりません。この記事では、今の年収を一つの平均で語らず、会社、地域、仕事内容、中途採用時の評価に分けて読みます。

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年収は実力の点数ではない

給与は会社の中にある物差しで決まる

給与明細に書かれた金額は、仕事の出来をそのまま数字へ置き換えたものではありません。会社には等級、役職、昇給幅、賞与、手当を決める規則があり、その中で年収が決まります。全産業を対象とした直近の公的統計では、月額賃金は大企業が約38万5,000円、中企業が約32万6,000円、小企業が約30万6,000円でした。個人の能力をそろえた比較ではありません。それでも、働く会社によって給与の土台が違うことは分かります。同じ仕事を任されていても、会社の給与原資や昇給幅が違えば、年収まで同じにはなりません。

社内の昇給と中途採用の提示額は別の事情で動く

今の会社で給与が上がるときは、現在の等級、同じ役職にいる社員との均衡、昇給時期、役職の空きなどが関わります。中途採用では事情が変わります。企業が今ほしい経験、募集職種に用意した予算、入社後に任せる仕事が提示額へ反映されます。現職で昇給が小さいからといって、社外でも同じ金額になるとは限りません。ただし、需要の高い技術を使っていても、担当してきた範囲が狭ければ、求人票の上限額に近づくとは限りません。

給与への不満は、評価への違和感として現れる

直近の転職者調査では、「給与が低い・昇給が見込めない」が五年続けて転職理由の首位でした。「個人の成果で評価されない」も約22.8%となり、前年の十位台後半から三位へ上がっています。単に金額が低いという話ではありません。仕事が増えても給与が変わらない、難しい案件を任されても等級が上がらない。そうしたずれが積み重なり、転職を考えるきっかけになります。今の年収を見るなら、金額だけでなく、何を担えば、いつ、どの程度上がる会社なのかまで見ておきたいところです。

同じ仕事を求める会社では、いくらになるのか

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平均469万円では自分の位置は分からない

平均の近くに多くの人が集まっているわけではない

転職サービス登録者を対象とした直近の集計では、ITエンジニアの平均年収は約469万円です。ただ、給与がこの金額の近くに集まっているわけではありません。300万円未満が約11.1%、300万円以上400万円未満が約28.8%、400万円以上500万円未満が約25.1%、500万円以上600万円未満が約14.6%です。300万円未満から500万円未満までで約65%を占めます。「平均469万円」という一つの数字だけでは、かなり幅のある給与分布を説明しきれません。

年齢別の数字には、任される仕事の変化も入っている

同じ集計では、20代が約398万円、30代が約519万円、40代が約649万円、50代以上が約716万円です。年齢とともに給与が上がる傾向は見られますが、年齢だけで生まれた差ではありません。技術選定、顧客対応、予算、採用、部下の管理など、年齢が上がるにつれて担当する仕事が変わる人も増えます。年齢平均と自分を並べても、勤続年数の差と仕事内容の差は分けられません。比べたいのは同年代の人ではなく、自分と近い仕事を任されている人です。

平均より低いか高いかだけでは、まだ何も決まらない

平均より低くても、経験年数、担当工程、勤務時間、会社規模を含めると不自然ではない場合があります。平均より高くても、障害対応や顧客調整まで抱え、長い時間働いているなら、別の会社では異なる金額が付く可能性があります。平均年収は、自分の給与が妥当かを決める答えではありません。平均との差が生まれた理由を考える入口です。年齢や平均額だけで結論を出さず、仕事内容が近い求人の提示額と比べた方が、現在地は具体的になります。

年齢ではなく、仕事の中身で比べる

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同じ関東でも金額は変わる

関東の中でも都県ごとに平均は違う

全職種を対象とした直近の集計では、東京都の平均年収は約476万円、神奈川県は約456万円、千葉県は約440万円、埼玉県は約426万円でした。関東全体では約455万円、技術系のIT・通信職に限ると約481万円です。ただし、これは同じ仕事内容の人を都県別に並べた数字ではありません。地域によって、企業規模、業種、本社機能、管理職や企画職の割合が違います。数字の差を、そのまま勤務地だけの差と読むことはできません。

東京には給与の高い仕事そのものが集まりやすい

東京都には、本社の情報システム部門、IT企画、コンサルティング、金融、大規模サービスの開発などが集まりやすくなります。実装だけでなく、予算、要件、取引先、社内調整まで担う仕事も含まれます。東京の平均が高いから、同じ仕事のまま勤務地を変えれば給与が上がる、という話ではありません。存在する会社と募集される役割の構成が違うため、地域の平均にも差が出ます。住所より、そこで募集されている仕事の中身を見る方が自然です。

本社所在地と、実際に働く場所は一致しないことがある

東京本社の求人でも、顧客先勤務や関東各地のプロジェクトへ配属される場合があります。反対に、埼玉県や千葉県に住みながら、都内企業の仕事をリモートで担当する例もあります。求人を見るときは、会社所在地だけでなく、配属予定地、出社日数、交通費の上限、顧客先勤務、転勤、在宅勤務を誰が決めるのかまで確かめます。生活圏を大きく変えなくても、会社と役割が変われば、今とは異なる給与の求人が見つかることがあります。

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同じIT職でも仕事で差が出る

「ITエンジニア」だけでは給与差を説明できない

直近の職種別集計では、プロジェクトマネジャーが約707万円、セキュリティコンサルタント・アナリストが約649万円、IT戦略・システム企画が約614万円でした。一方、SE・プログラマは約435万円、運用・監視・保守は約389万円、ヘルプデスクは約362万円です。同じIT職でも、平均には300万円を超える差があります。同じ年齢や同じ会社をそろえた比較ではありません。それでも、何を任される仕事なのかによって、給与水準が大きく違うことは読み取れます。

技術名が同じでも、任されてきた範囲は違う

AWSを使った経験があっても、指示された構築を担当した人と、構成を決め、権限、費用、監視、障害復旧まで扱った人では、会社が任せられる仕事が違います。Javaの経験も、実装だけなのか、基本設計、レビュー、性能改善、顧客説明まで担ったのかで意味が変わります。技術名と経験年数だけでは、自分がどの職種水準に近いかは分かりません。自分で決めたこと、問題が起きたときに引き受けたこと、結果に責任を持った範囲まで見ていきます。

役職に表れていない仕事が、社外では評価されることもある

一般社員という肩書でも、利用部門から要望を聞き、外部会社へ依頼し、障害時の判断や後輩支援まで担っている人はいます。反対に、リーダーという肩書でも、実際には進捗報告が中心という場合があります。中途採用で見られるのは、肩書そのものより、入社後に何を任せられるかです。今の会社では役職や給与に反映されていない仕事でも、別の求人では募集条件と重なることがあります。肩書より、日々の仕事を言葉にした方が社外では伝わります。

肩書ではなく、実際の仕事で見てもらう

技術名と役職だけでは、採用側が知りたい担当範囲まで伝わりません。エージェントへの無料相談では、日々の仕事内容を基に、近い職種や求人を聞けます。無料登録で、気になる求人を自分で確認することもできます。

会社が変わると同じ経験が再評価される

中途採用で提示される年収は上向いている

転職支援サービスを通じた全国の決定データでは、IT・通信業界の平均決定年収が約469万円から約486万円へ上がっています。関東のエンジニアだけを対象とした数字ではなく、すべての転職者を表すものでもありません。それでも、企業が中途採用へ用意する金額が変わっていることは分かります。今の会社で長く働いた結果として付いた年収と、企業が現在採用したい人へ付ける年収は、同じ事情では決まりません。会社を替えると、経験が別の基準で見直されます。

転職した人の全員が、年収増加になったわけではない

別の月次集計では、転職後に年収が増えた人は約59.9%でした。増加した人の平均増加額は約72万4,000円ですが、転職者全体の平均増加額は約8万9,000円です。転職支援サービス経由で決定した人の一カ月分の集計であり、転職者全体へそのまま当てはめることはできません。大きく増えた人がいる一方、変わらない人や下がった人もいます。差を生んだのは「転職したかどうか」ではなく、どの仕事へ、どの条件で移ったかです。

会社を替えて評価が変わる経験と、変わりにくい条件がある

企業が不足している技術、上流工程、顧客との調整、チーム運営、障害や費用への責任は、会社を替えたときに評価が変わりやすい経験です。一方、現在の仕事と応募職種がほぼ同じで、会社の給与水準も近ければ、大きな差が付かない場合があります。今の年収が低いと感じても、転職だけで上がるとは決められません。自分の仕事の中で、別の会社が高く評価する部分はどこか。その違いを求人ごとに見ていく必要があります。

会社を替えたときに評価が変わる経験を知る

中途採用では、現在の給与よりも、応募先が入社後に任せたい仕事が条件へ反映されます。エージェントへの無料相談では、今の経験のうち、別の会社で評価が変わりやすい部分を聞けます。無料登録で、気になる求人を自分で確認することもできます。

転職しなくても外の金額は確認できる

社外の給与を知ることと、応募を決めることは別

外の給与を知るために、先に退職や応募を決める必要はありません。今の仕事内容に近い求人、その求人が示す給与、採用側が求める経験との差を見るだけでも、現職に残るかを考える材料になります。条件がほとんど変わらないと分かれば、今の会社で昇給や役割変更を相談する方が合うかもしれません。異なる条件の求人があると分かれば、その時点で転職を考えられます。知ることと動くことを分けると、転職する気が固まっていない段階でも外の市場を見やすくなります。

求人票の上限額は、自分への提示額ではない

年収400万円から700万円と書かれた求人でも、全員へ700万円が提示されるわけではありません。担当工程、経験年数、業界知識、管理経験、現在年収、社内等級などを踏まえて金額が決まります。求人票を見れば、企業が用意している給与の幅は分かります。ただ、自分がその中のどこに入るかは、職務経歴と入社後に任される仕事を重ねなければ判断できません。求人票の上限額だけを現在の年収と比べると、実際の差を大きく見積もることがあります。

公開データで分かるのは、市場全体の位置まで

公開データからは、関東の給与水準、IT職の分布、職種や企業規模による違いを読めます。記事だけでは、今の経歴に合う求人、応募した場合の提示額、採用側が評価する担当業務、現職に残った場合との違いまでは分かりません。平均年収を見て終わらず、自分の仕事内容と求人を重ねると、今の年収が会社固有の金額なのか、社外でも近い金額になるのかが具体的になります。ここから先は、個別の仕事内容を見なければ答えが出ません。

今の会社に残る前に、外の金額を知っておく

公開データから分かるのは、市場全体の給与水準までです。エージェントへの無料相談では、現在の仕事内容に近い求人と条件を聞き、今の会社に残る場合と比べられます。無料登録で、気になる求人を自分で確認することもできます。

今の年収は、今の会社で付いた金額

年収は、本人の実力だけで決まりません。会社の給与表、企業規模、勤務地、職種、担当範囲、中途採用時の予算が重なり、今の金額になります。平均年収は比較を始める材料にはなりますが、自分の仕事内容にいくら付くかまでは示してくれません。

転職するかどうかを先に決めなくても、今の仕事に近い求人と給与は見られます。社外でも現在と近い条件になるのか、別の会社では異なる金額が付くのか。そこが分かれば、今の会社に残る判断にも、転職を考える判断にも使えます。

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